不動産管理業 日次Webモニタリングレポート(PC詳細版)

発行日: 2026年7月29日 / 作成者: COMUPAL株式会社

1. エグゼクティブサマリ

本日のレポートでは、7月28日16時27分に発生した「令和8年熊本地震」(最大震度7)を最重要トピックとして取り上げる。国内で震度7を観測するのは2024年能登半島地震以来であり、2016年熊本地震の活動域と重なる日奈久断層の活動とみられる。八代平野を中心に建物倒壊・火災・停電が発生しており、九州圏に管理物件・取引先・入居者の親族等を持つ管理会社は即日対応が必要である。加えて、台風13号(ドルフィン)が「猛烈な」勢力への発達を予想されており、8月上旬の国内接近リスクを見据えた準備を今週中に進めるべき局面にある。

No. トピック 優先度
1 令和8年熊本地震(最大震度7)発生。建物倒壊・火災・停電、余震活動が活発 即日対応
2 台風13号「ドルフィン」が猛烈な勢力へ発達予想。8月上旬に国内影響の可能性 今週中
3 熱中症警戒アラート14都県。高知県で40℃、東京も35℃予想。東北は31日まで大雨警戒 即日対応
4 国交省「賃貸住宅管理業の報酬に関するアンケート」実施中(全宅連経由で周知) 今週中
5 家賃上昇トレンド続く: オーナーの56.7%が過去2年で家賃引き上げ(帝国不動産調査)、アットホーム6月家賃動向でも10エリアが全面積帯で上昇 情報収集段階

2. 気象・防災情報

2.1. 令和8年熊本地震 — 最大震度7、八代平野中心に建物被害多数

優先度: 即日対応

概要: 2026年7月28日16時27分頃、熊本県熊本地方(深さ約10km)を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市および氷川町で最大震度7、八代市・宇土市などで震度6強を観測した 1。気象庁はこの地震を「令和8年熊本地震」と命名した。国内で震度7を観測するのは2024年能登半島地震以来で、2016年熊本地震の活動域と重なる領域が震源であり、日奈久断層の活動とみられている 3。有明・八代海に発表された津波注意報は同日18時10分に全て解除された 3

被害状況(7月28日夜〜29日未明時点)は以下の通り深刻である。嘉島町の大型商業施設「イオンモール熊本」で爆発が発生し2階部分が崩落、多数の閉じ込めが発生 2。八代市の日本製紙八代工場では煙突が崩落し2人が心肺停止、9人が安否不明と報じられている。熊本県内で火災7件(消防庁19時30分時点)、約4万8,000戸で停電、医療施設でも断水・停電が発生 2。八代市は市内全域5万8,255世帯・11万8,057人に避難指示を出し避難所を開設、熊本市は災害救助法の適用を決定した 4。交通面では九州新幹線(博多〜鹿児島中央)が終日運休、八代駅でJR貨物列車が脱線・横転、九州道の一部区間が通行止め、阿蘇くまもと空港は滑走路を閉鎖した 2。高市首相は非常災害対策本部会議で「人的被害、建物倒壊や道路の損壊、火災など大規模な被害が確認されている」と述べ、今後1週間程度は同程度の地震への注意を呼びかけている 5。余震活動は極めて活発で、17時08分に天草・芦北地方でM6.1(震度5弱)、その後も震度5弱〜4クラスの地震が29日未明まで断続的に発生している 3

管理会社への影響: 九州、特に熊本県内に管理物件を持つ会社は、建物の躯体・外壁・給排水設備の被害確認、入居者の安否確認が最優先業務となる。管理物件が九州圏外であっても、(1) 入居者・オーナーの親族が被災している場合の問い合わせ増加、(2) 保険会社・工事業者のリソースが九州へ集中することによる修繕工期の長期化、(3) 建材・住設機器のサプライチェーン影響(TSMC・ソニー・三菱電機・ホンダ等の熊本工場が稼働停止・確認中 2)が中期的に波及し得る。2016年熊本地震では民間賃貸住宅を活用した「みなし仮設住宅」が大量に供出された経緯があり、今回も同様の制度発動が見込まれる。

判断ポイント: 本日中に自社管理物件の被災エリア該当有無を確定し、該当があれば安否確認・建物点検の体制を組む。該当がない場合も、地震保険・火災保険の付保状況一覧の整備状況を確認し、オーナーからの問い合わせに即答できる状態を作る。応急危険度判定や罹災証明のフローを社内で再確認しておく。

オーナーへの説明: 九州圏のオーナーには建物点検の実施予定と保険請求手続きの流れを速やかに案内する。圏外のオーナーに対しても、今回の地震を契機に耐震診断・地震保険加入状況・旧耐震物件の改修計画について能動的に情報提供することで、信頼関係の強化につながる。

入居者対応・現場対応: 被災エリアでは安否確認を電話・SMS・掲示の多チャネルで実施し、ガス漏れ・漏水・外壁落下等の二次被害リスク箇所を優先巡回する。余震が続くため、点検スタッフの安全確保(ヘルメット着用、単独行動禁止)を徹底する。避難中の入居者には熱中症への注意喚起(熊本はしばらく厳しい暑さが続く予報 3)も併せて行う。

営業機会: 家具転倒防止器具の斡旋、地震保険の見直し提案、耐震補強工事の提案、みなし仮設住宅への物件提供(空室活用と社会貢献の両立)など、防災起点の提案営業の好機である。

参照: ウェザーニュース(2026/7/28-29)、ロイター(2026/7/28)、首相官邸(2026/7/28)

2.2. 台風13号「ドルフィン」— 猛烈な勢力へ発達予想、8月上旬に国内影響の可能性

優先度: 今週中

概要: 台風13号(ドルフィン)は7月28日21時現在、「強い」勢力でマーシャル諸島付近を西進しており、7月30日(木)には最上位ランクの「猛烈な」勢力に発達する予想である 6。気象庁の予想では中心気圧915hPa・最大瞬間風速75m/sに達する見込みとの報道もある。現時点で日本からは遠いものの、太平洋高気圧の南縁に沿って西進を続けており、8月上旬(お盆休み前)に小笠原近海を経由して日本列島方面へ影響する可能性が指摘されている 6。なお、今年は1月から7月まで毎月台風が発生しており、これは1951年の統計開始以降1965年・2015年に次ぐ3回目である 7

管理会社への影響: 上陸・接近となれば、雨樋・排水溝の詰まり、飛散物、看板・アンテナの落下、地下・半地下物件の浸水など定番の台風被害対応が発生する。お盆休み期間と重なる可能性があり、休暇中の緊急対応体制(当番制・コールセンター委託)の確認が必要になる。

判断ポイント: 進路が定まる今週末までに、(1) 管理物件の台風前点検リスト(排水溝・雨樋・外構飛散物)の準備、(2) お盆期間の緊急連絡体制の確定、(3) 工事中物件の足場・資材の固定計画の確認を済ませておく。

オーナーへの説明: 現時点では「発達中の台風が8月上旬に接近する可能性があり、事前点検を準備している」との情報提供に留め、進路確定後に具体的な点検・養生の提案を行う。

入居者対応・現場対応: 現時点では静観でよいが、進路次第では入居者向けにベランダの飛散物撤去・浸水対策の注意喚起文を配信できるよう、テンプレートを準備しておく。

営業機会: 台風前点検サービス、火災保険の風災補償の確認案内、防水・外壁補修工事の提案につなげられる。

参照: ウェザーニュース 台風情報(2026/7/28)、tenki.jp(2026/7/27-28)

2.3. 猛暑・熱中症警戒アラート14都県/東北は31日まで大雨警戒

優先度: 即日対応

概要: 7月29日(水)を対象とした熱中症警戒アラートが関東〜九州・沖縄の14都県に発表されている 6。7月28日には高知県黒潮町佐賀で40.0℃を観測し四国で今年初の酷暑日となったほか、27日には大分県日田市でも40.0℃と九州で観測史上初の40℃を記録した。29日は東京も35℃予想で、東海以西は8月初めにかけて40℃近い危険な暑さが続く見込みである 6。一方、東北地方は梅雨末期の状況にあり、31日(金)にかけて警報級の大雨のおそれがあり土砂災害・交通への影響が警戒されている 7。28日には愛知県西部で竜巻の目撃情報もあり、大気不安定によるゲリラ雷雨・突風にも注意が必要である 7

管理会社への影響: 空調故障対応が最繁忙期に入る。エアコン修理・交換の即応体制、協力業者の稼働状況の把握が入居者満足度を左右する。現場作業員・内見案内スタッフの熱中症リスク管理も労務上の義務である。東北エリアに物件を持つ場合は、大雨による雨漏り・浸水・土砂災害リスクの巡回強化が必要になる。

判断ポイント: エアコン故障受付から修理完了までのリードタイムを本日時点で把握し、代替機(スポットクーラー等)の貸出在庫を確認する。東北の物件では法面・擁壁に近接する物件の緊急連絡先リストを更新する。

オーナーへの説明: 空調設備の経年物件(設置10年超)には故障前の計画的交換を提案する。繁忙期の交換は割高・長納期になることをデータで示すと説得力が増す。

入居者対応・現場対応: 高齢入居者への熱中症注意喚起、共用部(廊下・ゴミ置場)の作業時間帯の工夫、竜巻・雷雨時の注意喚起を実施する。避難生活者を受け入れている地域では避難中の熱中症にも注意を促す。

営業機会: エアコン先行交換キャンペーン、遮熱フィルム・断熱改修の提案余地がある。

参照: ウェザーニュース(2026/7/28)、tenki.jp 日直予報士(2026/7/28)


3. 法令・行政動向

3.1. 国交省「賃貸住宅管理業の報酬に関するアンケート」実施中

優先度: 今週中

概要: 全宅連(全国宅地建物取引業協会連合会)は7月14日付で、国土交通省による「賃貸住宅管理業の報酬に関するアンケート」の実施を会員向けに周知している 8。賃貸住宅管理業の報酬実態を国が直接調査するもので、管理受託契約の報酬水準・体系に関する政策検討(賃貸住宅管理業法の運用見直しや報酬ガイドラインの検討等)の基礎資料となる可能性がある。

管理会社への影響: 管理報酬の「相場」が公的データとして可視化されれば、オーナーとの報酬交渉の基準点が変わり得る。低廉な管理料で受託している会社には適正化の追い風になる一方、高水準の報酬体系はその根拠(業務範囲・品質)の説明責任が高まる。

判断ポイント: アンケートの回答期限・対象を確認し、自社が対象であれば実態を正確に回答する。同時に、自社の管理報酬体系(管理料率、更新事務手数料、原状回復立会費等)を業務範囲と紐づけて整理し直す好機である。

オーナーへの説明: 現時点で説明は不要だが、将来の報酬体系見直しに備え、管理業務の提供価値を定量的に示す資料(対応件数・入居率・滞納率等)の整備を進める。

入居者対応・現場対応: 直接の対応は不要。

営業機会: 報酬体系の透明化トレンドを先取りし、「業務範囲明示型」の管理プラン再設計により競合との差別化が可能。

参照: 全宅連 新着情報(2026/7/14)

3.2. 熊本地震に伴う土砂災害警戒情報等の暫定運用(国交省・気象庁)

優先度: 即日対応(九州圏)

概要: 国土交通省は7月28日、令和8年熊本地震を受け「地震に伴う土砂災害に関する警報等の暫定的な運用」を発表した 9。大きな地震の後は地盤が緩み、通常より少ない雨量で土砂災害が発生するおそれがあるため、熊本県内の対象地域では土砂災害警戒情報等の発表基準を通常より引き下げて運用するものである。

管理会社への影響: 熊本県内および周辺の傾斜地・造成地に立地する管理物件では、通常なら問題にならない降雨でも土砂災害リスクが高まる。擁壁・法面に近接する物件の重点監視が必要である。

判断ポイント: ハザードマップ(土砂災害警戒区域・特別警戒区域)と自社管理物件リストの照合を本日実施し、該当物件を重点監視リストに登録する。

オーナーへの説明: 該当物件のオーナーには暫定運用の内容と、降雨時の避難情報が早めに発表される旨を説明し、擁壁等の点検を提案する。

入居者対応・現場対応: 該当物件の入居者に対し、避難情報の入手方法(自治体防災アプリ等)と早期避難の重要性を案内する。

営業機会: 擁壁・法面点検、雨水排水改善工事の提案機会となる。

参照: 国土交通省 報道発表(2026/7/28)

3.3. その他の行政動向(住宅市場動向調査・空き家対策・防災プロジェクト)

優先度: 情報収集段階

概要: 国交省の直近の報道発表から、管理業に関連する動きを整理する 9。第一に、令和7年度住宅市場動向調査の結果が取りまとめられ、リフォーム促進税制などについて新たに調査項目が追加された。第二に、令和8年度「空き家対策モデル事業」の採択が決定し、空き家の管理・活用のモデル的取組が全国で推進される。第三に、「令和8年度 総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」が決定され「国土交通省首都直下地震対策計画」も改定された。また、八潮市道路陥没事故を踏まえた「下水道BCP策定マニュアル」改訂の検討も進んでいる。全宅連経由では、7月24日の関係閣僚会議で決定された外国人政策の「総合的対応策」(犯罪収益移転防止法・マネロン対策関連)や、犯罪収益移転防止法に基づく「リスク評価書」作成完了報告フォームの案内も出ており、宅建業者のコンプライアンス実務に直結する 8

管理会社への影響: 空き家対策モデル事業は、管理会社が自治体と連携して空き家管理受託・利活用提案を行う際の補助スキームとして活用余地がある。犯罪収益移転防止法関連は、売買仲介を兼業する場合の本人確認・リスク評価書整備が求められる。

判断ポイント: 空き家管理事業を展開中・検討中であれば、採択事例を今週中に確認し自治体連携の可能性を探る。リスク評価書が未整備の場合は作成・報告を進める。

オーナーへの説明: 相続で空き家を抱えるオーナーに対し、モデル事業や自治体補助の最新情報を提供することで資産活用相談の入口とする。

入居者対応・現場対応: 直接の対応は不要。

営業機会: 空き家管理受託サービスの拡販、リフォーム促進税制を絡めた原状回復グレードアップ提案。

参照: 国土交通省 報道発表(2026/7月)、全宅連(2026/7/24)


4. 不動産市場・業界ニュース

4.1. オーナーの56.7%が過去2年で家賃引き上げ — 帝国不動産「賃貸経営の実態に関する調査」

優先度: 情報収集段階

概要: 帝国不動産が7月28日に発表した調査(1都3県の1棟アパート・マンションオーナー1,000名、7月4〜5日実施)によると、過去2年間で家賃を引き上げたオーナーは56.7%に達した 10。エリア別では東京都心5区が73.2%と最も高く、10%超の大幅値上げを行ったオーナーも23.2%と全エリア最多だった。賃貸需要を「安定している」と感じるオーナーは64.6%。今後3年間の運営方針では約4割が修繕・建替え・買い増しなど前向きな投資姿勢を示した。注目すべきは定期借家契約で、認知度は76.4%、導入意向は58.7%(積極的19.9%+条件次第38.8%)に上った。

管理会社への影響: オーナー側の値上げ意欲は依然として強く、更新時・入替時の賃料改定提案が管理会社の腕の見せ所となっている。定期借家への関心の高まりは、2025年臨時国会以降の借家制度をめぐる議論とも呼応しており、契約形態の提案力が問われる。

判断ポイント: 自社管理物件の募集賃料と周辺相場の乖離を定期的に棚卸しし、値上げ余地のある物件をリストアップする運用が確立しているか確認する。定期借家契約の説明資料・重説フローが整備されているかも点検する。

オーナーへの説明: 「都心5区では7割超のオーナーが値上げを実施」というデータは、賃料改定に慎重なオーナーへの説得材料になる。同時に、過度な値上げによる退去リスク・空室期間コストも定量的に示し、バランスの取れた提案を行う。

入居者対応・現場対応: 更新時の賃料改定通知は法的要件と丁寧な説明を両立させ、トラブルを未然に防ぐ。

営業機会: 賃料査定サービス、定期借家切替コンサルティング、リフォームによる賃料アップ提案。

参照: R.E.port(2026/7/28)

4.2. 賃貸住宅着工は2040年度に21.9万戸へ縮小予測 — 矢野経済研究所

優先度: 情報収集段階

概要: 矢野経済研究所が7月27日に公表した賃貸住宅市場調査によると、2025年度の新設着工戸数は30万8,906戸(前年度比13.5%減)と大幅に減少した 11。建築費の高止まりと金利上昇により賃貸住宅の採算性が悪化していることが主因である。2040年度には21万9,000戸(25年度比29.0%減)まで縮小すると予測され、人口・世帯数減少を背景に市場全体は縮小へ向かう。一方、都市部の入居需要は底堅く、駅近立地などへの供給集中が進むと見込まれている。

管理会社への影響: 新築供給の減少は、既存ストックの管理・バリューアップの重要性が相対的に高まることを意味する。新築管理受託の獲得競争は激化する一方、築古物件の維持管理・リノベーション需要は拡大する。

判断ポイント: 自社の管理戸数成長戦略を「新築依存」から「既存ストックの管理替え獲得・バリューアップ提案」へシフトする中期方針の検討材料とする。

オーナーへの説明: 「新規供給が絞られるため、立地の良い既存物件は適切な維持管理で競争力を保てる」というポジティブな文脈で、計画修繕・リノベーション投資を提案する。

入居者対応・現場対応: 直接の対応は不要。

営業機会: 管理替え営業の強化、リノベーション・計画修繕コンサルティングの拡充。

参照: R.E.port(2026/7/27)

4.3. 6月の募集家賃、10エリアが全面積帯で前年超え — アットホーム調査

優先度: 情報収集段階

概要: アットホームが7月27日に発表した2026年6月の全国主要都市「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向によると、首都圏全エリアと名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市の計10エリアが全面積帯で前年同月を上回った 12。マンションのシングル向き(30平米以下)では福岡市が前年同月比+15.9%(平均6万6,149円)でトップ、東京23区は25ヵ月連続で2015年1月以降の最高値を更新した。アパートではシングル向きの札幌市が+26.2%と突出し、東京23区は14ヵ月連続で最高値を更新している。

管理会社への影響: 家賃上昇局面の継続は、募集賃料設定の強気化余地と、入居者の住み替え抑制(在居長期化)の両面をもたらす。更新率の上昇は安定収益に寄与する一方、募集時の賃料査定精度がオーナー収益を大きく左右する。

判断ポイント: 直近の成約事例と比較して自社の募集賃料設定が保守的すぎないか、エリア別・面積帯別に検証する。特にシングル向き物件は上昇率が高く、査定の更新頻度を上げる。

オーナーへの説明: エリア・面積帯別の具体的な上昇率データを用いて、募集賃料の見直しや礼金・更新料設定の再検討を提案する。

入居者対応・現場対応: 家賃上昇に伴う入居者からの問い合わせ(更新料・賃料改定への不満)に対し、市場データに基づく丁寧な説明を準備する。

営業機会: 賃料査定レポートの定期提供サービスによるオーナー囲い込み。

参照: R.E.port(2026/7/27)

4.4. 投資家の42.1%が「1年後の不動産価格は上がる」— 野村不動産ソリューションズ調査

優先度: 情報収集段階

概要: 野村不動産ソリューションズが7月28日に発表した「不動産投資に関する意識調査(第18回)」によると、1年後の不動産価格が「上がる」と回答した投資家は42.1%で前年(33.2%)から増加した 13。融資金利については93.6%が「上がると思う」と回答(前回81.9%)し、金利上昇は投資家の共通認識となっている。直近6ヵ月の金融機関の融資姿勢は約3割が「厳しくなった」と回答し、特に複数棟保有の投資家では半数超が引き締まりを実感している。一方、中長期的には約7割が購入・買換えに前向きで、投資意欲は依然として強い。

管理会社への影響: 金利上昇と融資引き締めは、レバレッジ型オーナーのキャッシュフローを圧迫し、管理料・修繕費へのコスト意識が高まる方向に働く。同時に、物件売買の局面ではデューデリジェンスにおける管理状態の重要性が増し、管理品質が資産価値に直結する時代となる。

判断ポイント: 借入比率の高いオーナーのポートフォリオ(金利タイプ・借換時期)を把握し、収支シミュレーション相談に対応できる体制を整える。

オーナーへの説明: 金利上昇局面では「賃料収入の最大化」と「支出の計画化」が防衛策であることを伝え、賃料改定と計画修繕の両輪提案を行う。

入居者対応・現場対応: 直接の対応は不要。

営業機会: 売買仲介部門との連携による資産組換え提案、借換え相談を入口としたオーナーリレーション強化。

参照: R.E.port(2026/7/28)

4.5. 業界団体の動向(日管協・全宅連)

優先度: 情報収集段階

概要: 日管協(日本賃貸住宅管理協会)は7月27日に相続関連のお知らせ、7月22日に行政からのお知らせ、7月21日・24日に本部からのお知らせを掲載しており、相続・行政関連の情報発信が続いている 14。全宅連では前述の賃貸住宅管理業報酬アンケートのほか、カスタマーハラスメント防止対策推進事業としてカスハラ対策オンラインセミナー(7月16日案内)を実施しており、管理現場のカスハラ対応体制整備が業界全体の課題として認識されている 8

管理会社への影響: カスハラ対策は東京都条例施行以降、企業の対応方針策定が事実上の標準となっており、未整備の場合は従業員保護・採用面で不利になる。相続関連の情報発信の増加は、オーナーの高齢化に伴う賃貸経営の承継問題が業界の主要テーマであることを示す。

判断ポイント: カスハラ対応方針(対応マニュアル・録音ルール・警察連携基準)の整備状況を確認し、未整備ならセミナーを活用して今月中に着手する。

オーナーへの説明: 高齢オーナーには相続・承継の相談窓口があることを平時から案内し、管理契約の継続性を確保する。

入居者対応・現場対応: 過度な要求への対応ルールを現場スタッフに周知し、一人で抱え込まない体制を作る。

営業機会: 相続対策セミナーの共催、資産承継コンサルティングによる次世代オーナーとの関係構築。

参照: 日管協(2026/7/21-27)、全宅連(2026/7/16)


5. 管理業務アクションリスト

期限 アクション 関連トピック
本日 熊本県・九州圏の管理物件有無を確認し、該当あれば入居者安否確認・建物点検体制を発動 2.1
本日 地震保険・火災保険の付保状況一覧を確認し、オーナー問い合わせに即答できる状態にする 2.1
本日 土砂災害警戒区域と管理物件の照合(特に熊本県内・傾斜地近接物件) 3.2
本日 エアコン修理・交換のリードタイム確認、スポットクーラー貸出在庫の確認 2.3
今週中 台風13号に備えた台風前点検リストの準備とお盆期間の緊急対応体制の確定 2.2
今週中 国交省「賃貸住宅管理業の報酬アンケート」の対象・期限確認と回答準備 3.1
今週中 東北エリア物件の大雨リスク巡回(31日まで警報級大雨のおそれ) 2.3
今月中 賃料査定の棚卸し(シングル向き物件の上昇率を反映)と定期借家提案資料の整備 4.1, 4.3
今月中 カスハラ対応方針・マニュアルの整備状況確認、未整備なら着手 4.5

References


本レポートはWeb公開情報のモニタリングに基づき、COMUPAL株式会社が不動産管理実務者向けに作成したものです。一次情報は必ず参照元でご確認ください。